本日は岡山市南倫理法人会のモーニングセミナー。​
講話者は華房会長。テーマは「繁栄する老舗の法則」。​

日本では100年以上続く老舗が世界一多い。


その理由は「不易流行」と「積み上げ」にある。


会社にしても何らかの組織にしても
トップが変われば方針が
コロコロ変わるような運営をしていては
「積み上げ」は起こらない。


100m進んだと思ったら、
反対の方向に100m進んで、
結局元の場所に戻る
なんてこともありがちだ。


一方で、この人仕事できるなと感じた人は
朝令暮改タイプが多かったことも事実。


社員からしてみたら、
「さっきと言ってること違うじゃん!」
ということが頻繁に起こり、


「やってられるか!」
なんてこともある。


しかしこういうタイプの
リーダーがいる組織に
「積み上げ」がないかというと
そんなことはなかったりする。


言うことがコロコロ変わるくせに
成果を上げるリーダーがいる。


この矛盾した現象について、
私はずっと考えを巡らせてきた。


なぜ、一見すると非効率で混乱を招きそうな
「朝令暮改」型のリーダーシップが、
時として成功を収めるのだろうか。


その答えは「変化への適応力」に
あるのではないかと今日の講話を
聞いていて感じた。


ビジネス環境が急速に
変化する現代において、


固定的な方針や
戦略にこだわりすぎることは、
むしろリスクになりかねない。


朝令暮改型のリーダーは、
その変幻自在な意思決定プロセスを通じて、
組織全体に柔軟性と即応性を
植え付けようとしているのではないか。


意識的にかもしれないし
無意識にそうしているのかもしれない。


しかし、ここで重要なのは、
そういったリーダーの下でも、
ある種の「積み上げ」が
行われているという点だ。


それは目に見える形での
直線的な進歩ではなく、


試行錯誤を通じた
経験値の蓄積と言えるだろう。


社員たちは日々変化する
指示に対応することで、
問題解決能力や創造性を磨いていく。


これもまた、一つの「積み上げ」の形なのだ。


さらに優秀な朝令暮改型リーダーの多くは、
表面上の変化の裏に、
揺るぎない核となる理念や
目標を持っていることが多い。


彼らの行動は一見すると
場当たり的に見えても、


実はその不変の軸を中心に
回転しているのだ。


これこそが「不易流行」の
私なりの解釈だ。


もちろん、こういった
リーダーシップスタイルには課題もある。


社員のストレスや疲労、
組織の方向性に対する不安など、
克服すべき問題は少なくない。


しかし適切に管理され、
組織全体で共有されたビジョンがあれば、


この一見カオス的なアプローチも、
強力な競争力をもたらすかもしれない。


結局のところ「繁栄する老舗の法則」とは、
時代に合わせて自らを変革する勇気と、


核となる価値観を守り抜く強さの
両立にあるのかもしれない。


それは伝統的な老舗企業にも、
朝令暮改型のリーダーが率いる企業にも


等しく当てはまる
普遍的な真理なのではないだろうか。


これは組織だけでなく
個人にも当てはまる。


自分の行動の核となる
理念を確立できているか


終始一貫やってやってやり抜き
積み上げが行われているか。


自分自身の価値を高めるためにも
不易流行と積み上げを意識したいものだ。

MS2 岡山市南倫理法人会 2024年9月4日