今日は岡山市南倫理法人会。講師は小野龍光さん。テーマは「しごととは誰の何のためなのか」。IT系企業の経営者として経済的に大成功されたのち、2年前にすべてを捨ててインドで得度された稀有な方です。岡山市南倫理の参加者数記録を更新。90名の方に参加いただきました!
誰が言うかってホントに大切。
成功の中で違和感を持ち
自分を消し去りたいと思うほど
資本主義に嫌気がさし
インドで得度された
小野さんの言葉だからこそ
圧倒的な説得力がありました。
書きたいことは
たくさんありますが
ひとつだけ。
なぜ世界は分断されているのか?
アメリカはもちろん
日本でも格差は
拡大する一方。
人を敵か味方かで判断する
価値観がはびこる時代。
日本でも共同体は破壊され
共助の精神は失われ
自己責任が当たり前の社会。
昔はよかったなどと
言うつもりもないが
日本おかしくなってるよね
というのは
大多数の人が
感じているのではないか。
なぜこんなことになっているのか。
その答えの一つが
自分が見たいものしか見ない
ようになっているからではないか。
SNSを介して
さまざまな情報が目に入るが
実はSNSで目にする情報は
AIによってコントロールされている。
自分の好み、価値観を
AIが把握して
その人が目にしたいと
無意識で思っている情報を
提示しているのだ。
自分が見たくない
興味がない情報を
目にする機会が失われている。
この状況は
私たちの視野を狭め
世界の多様性や複雑さを
理解する機会を奪っている。
結果として
自分と異なる価値観や
背景を持つ人々への
理解が乏しくなり
社会の分断を
深めているのではないだろうか。
小野さんの話は
この問題の根底にある
資本主義の課題も指摘している。
経済成長や利益追求が
自己目的化し
本来の目的である
人々の幸福や
社会の調和が
見失われている現状だ。
小野さん自身
ビジネスの成功を
収めながらも、
その過程で感じた
違和感や空虚さが
インドでの得度という
人生の大転換に
つながったのだろう。
しかし
小野さんの経験は
物質的な成功や
経済的繁栄だけでは
真の幸福や充実感は
得られないことを
示唆している。
むしろ
他者との繋がりや
誰かの役に立つことで
得られる喜びこそが
私たちの心を豊かにするのだ。
インドでの体験を通じて
小野さんが学んだのは
支え合いの精神と
物質的豊かさに依存しない
幸福の形だった。
貧しくとも互いに助け合い
穏やかに暮らす人々の姿は
私たちの社会が
失いつつあるものを
鮮明に映し出している。
これは決して
昔に戻れという話ではない。
むしろ、テクノロジーの発展や
経済的繁栄を
否定するのではなく
それらと人間性の調和を
いかに図るかが
問われているのだ。
小野さんの言葉を借りれば
物質的・経済的な成長には
限界があるが
心の成長には限りがない。
死の瞬間まで、誰かの役に立ち、
誰かを思いやる心を
育て続けることができる。
この視点は、
ビジネスの世界にも適用できる。
真に持続可能な企業経営とは
単なる利益追求ではなく
社会や従業員、顧客の幸福に
どれだけ貢献できるかを
指標とすべきではないだろうか。
それは結果として
長期的な企業の発展と
社会全体の調和につながるはずだ。
小野さんの講話は
私たちに現代社会の
歪みを認識させると同時に
その解決への道筋も
示唆している。
それは、他者への思いやりと、
物質的価値観を超えた
心の豊かさを追求することだ。
そして、それは決して
非現実的な理想論ではなく
日々の生活や仕事の中で
実践できるものなのだ。
最後に、小野さんの体験は
人生の転換点が
いつどこで訪れるか
わからないことを教えてくれる。
成功の頂点にいた人物が
全てを捨てて
インドで新たな人生を
見出したように
私たちもまた
常に心を開き
新たな可能性に
目を向ける勇気を持つべきだろう。
この講話を通じて
仕事とは単なる生計を立てる手段ではなく
自己実現と
社会貢献の場であるべきだと
改めて感じた。
それは誰のため、
何のためかと問われれば
自分自身の成長のため
そして他者の幸福のためなのだ。
この視点を持ち続けることで
私たちは分断を乗り越え
より調和のとれた社会を
作り上げていけるのではないだろうか。
MS18 岡山市南倫理法人会 2024年10月2日