本日は岡山市南倫理法人会。講師は日本一 知覧へ通う講演家・武田勝彦さん。テーマは「人生を拓きたければ知覧の英霊に学びなさい」。一生懸命生きてなくてごめんなさい、という言葉が胸に刺さりました。
人の期待に応えられる
人間になりたいと思う。
今までは家族や知人友人
クライアントくらいが
その範囲だった。
彼らの期待に応えられる
人間になりたいと思っていた。
しかし、今日の講話を聞いて
自分はなんと小さい人間なんだと
思わずにはいられなかった。
期待に応えるのは
何も自分のまわりの
人間だけではない。
日本を守るために
飛び立った人たちは
「日本を頼む、幸せになってくれ」と
これからの日本人に
そんな期待をこめていたのだ。
この事実に気づいた時
私の世界観は大きく揺さぶられた。
恥ずかしながら
これまで私は特攻隊員たちの人生を
他人事と思っていた。
彼らの存在を知ってはいたものの
それを身近に感じることが
できていなかった。
歴史の一コマとして
頭では理解していても
心で受け止めることが
できていなかったのだ。
しかし、武田勝彦さんの
熱意ある講話を聞くうちに
特攻隊員たちの思いが
徐々に私の心に
染み込んでいった。
彼らもまた、
私たちと同じように
家族を愛し、
友人と語らい、
将来の夢を持っていた
若者たちだったのだ。
その若者たちが、
なぜ死を覚悟して
飛び立たねばならなかったのか。
その重みを
私は本当の意味で
理解していなかった。
これまで私は
自分の周囲にいる人々の
期待に応えることが
人生の目標だと考えていた。
家族を大切にし
友人との約束を守り
仕事では顧客満足を第一に考える。
そうすることで
自分は十分に価値ある
人間になれると信じていたのだ。
しかし武田さんの講話を聞いて
その考えがいかに狭量で
自己中心的なものであったかを痛感した。
私たちが今
平和に暮らせているのは
決して偶然ではない。
知覧から飛び立った
特攻隊員をはじめとする
多くの若者たちの
犠牲の上に成り立っているのだ。
彼らは、家族や恋人、
友人たちとの別れを惜しみつつも、
国のために
そして未来の日本人のために
命を捧げた。
まだ二十歳前後の若さで
人生の可能性に
満ちあふれていたはずの彼らが
なぜそこまでの覚悟を持てたのか。
それは利他の精神に他ならない。
特攻隊員たちは
自分の命と引き換えに
日本の存続と平和な未来を願った。
彼らにとっての「他者」とは
家族や恋人だけでなく
まだ見ぬ未来の日本人
全てを含んでいた。
つまり今を生きる私たちもまた
彼らが命を懸けて
守ろうとした「家族」なのである。
この事実を知ったとき
自分が生きていることの重みを
強く感じた。
「一生懸命生きてなくてごめんなさい」
武田さんの最初の言葉が
私の心にも
湧き上がってきた。
私たちは、先人たちの犠牲の上に
生かされている。
その命の重みを考えると
日々の生活を「当たり前」
と思うことがどれほど傲慢であるか
痛感させられる。
住む家があること
食事ができること
お風呂に入れること
家族がいること。
これらは全て、
先人たちの犠牲によって
得られた贈り物なのだ。
私たちはどのように生きるべきなのか。
それは、先人たちの思いを受け継ぎ
精一杯生きることではないだろうか。
自分の人生を
ただ自分のためだけに
使うのではなく
他者のために
社会のために使うことが
彼らへの最大の
恩返しになるのではないか。
しかし、ここで注意しなければならないのは
決して戦争を美化しては
いけないということだ。
特攻隊の存在を知り
彼らの勇気や覚悟に
感銘を受けたからといって
戦争そのものを
肯定的に捉えてはならない。
むしろ、二度とこのような悲劇を
繰り返さないよう
平和の尊さを心に
刻み付けなければならない。
私たちにできることは
まず、先人たちの犠牲を
忘れないことだ。
靖國神社や各地の護國神社を訪れ
彼らの魂に感謝の
言葉を捧げることも大切だろう。
しかし、それだけでは不十分である。
より重要なのは
日々の生活の中で
彼らの思いを
胸に刻みながら生きることだ。
例えば、仕事や学業に
真剣に取り組むこと。
家族や友人を大切にすること。
困っている人がいれば
手を差し伸べること。
社会の問題に関心を持ち
自分にできることから
行動を起こすこと。
これらの一つ一つが
先人たちへの恩返しになるのだ。
また、日本人としての誇りを
持つことも大切だ。
しかし、それは決して
他国を蔑視することではない。
むしろ、日本の文化や伝統を
大切にしながら
同時に他国の文化も
尊重していきたい。
そして何より
平和の尊さを忘れてはならない。
最後に、「恩意識」について
考えてみたい。
恩意識とは
他者から受けた恩恵を忘れず
感謝の気持ちを
持ち続けることである。
それは単なる「借り」の意識ではない。
むしろ受けた恩を
他者に還元していく
永続的な善意の循環を
生み出す力となるものだ。
私たちは、先人たちから
大きな恩を受けている。
その恩を、今度は私たちが
次の世代に還元していく。
そうすることで、
先人たちの思いは
永遠に受け継がれていくのだ。
よりよく生きる、立派に生きるとは、
こうした恩意識を持ち続け、
自分だけでなく他者のために、
そして社会全体のために
働くことではないだろうか。
容易なことではない。
挫折、苦難は日常茶飯事だ。
迷うこともある。
しかし、そんな時こそ、
先人たちの犠牲を思い出し、
勇気を奮い起こすべきなのだ。
武田さんの講話を通じて
私は自分の生き方を
根本から見直す必要性を感じた。
これまでの狭い世界から目を上げ
もっと大きな視点で
人生を捉え直したい。
特攻隊員たちが
命を懸けて守ろうとした
「未来の日本人」の一人として
その期待を裏切らない
生き方をしたいと思う。
MS11 岡山市南倫理法人会 2024年9月18日