本日は岡山市倫理法人会。講師は副会長の森久美子さん。テーマは「倫理に救われた8ヶ月 苦難福門」。最後に語られたビジョンに痺れた。


人は、そして組織はなぜ相手の強いところを認めて協力できないのだろうか?


相手の強いところを認めることは
自分の負けにつながるのだろうか?


森さんの講話は
この問いに深い洞察を
与えるものだった。


特に印象的だったのは
医療における


西洋医学、東洋医学、
そして心理的アプローチの
融合に関する視点だ。


これらの分野は
長らく別々の道を歩み、
時には対立さえしてきた。


しかし、森さんは


「これらが融合して新しい医療ができればいい」


と語った。


なぜ、このような融合が難しいのか。


その根底には
人間や組織に
共通する心理が
あるのではないか。


第一に、自己防衛本能が挙げられる。


自分や自分の所属する
組織の価値(というより体面)を
守ろうとする意識が


他者の強みを
認めることを妨げている。


西洋医学の専門家が
東洋医学の効果を
認めようとしないのも


この心理が
働いているのかもしれない。


第二に、固定観念の影響がある。


長年培ってきた知識や経験は
時として新しい視点を
受け入れる障壁となる。


「これまでこうやってきたから」


という思考が
イノベーションの芽を
摘んでしまうのだ。


第三に、短期的な利益追求がある。


他者の強みを認め
協力することは


短期的には自身の利益を
損なうように見える。


しかし、森さんの視点は


長期的には顧客、
つまり患者のためになる道を
示唆している。


これらの障壁を乗り越えるには
どうすればいいのか。


まず、「顧客のためにという視点」
を持つことだ。


自分や自組織の利益ではなく
最終的に誰のために


仕事をしているのかを
常に意識する。


医療であれば患者のため
ビジネスであれば
顧客のためだ。


この視点があれば
自己中心的な価値観から
脱却しやすくなる。


次に、謙虚さを学ぶ姿勢を持つことだ。


自分の知識や経験には
限界があることを認識し


常に新しい知見を
取り入れる姿勢が重要だ。


さらに、実践の重要性も
忘れてはならない。


理論だけでなく
実際に異なる分野の
協力を試みることで


新たな可能性が見えてくる。


失敗を恐れず
小さな一歩から
始めることが大切だ。


相手の強みを認めることは
決して自分の弱さを
認めることではない。


むしろ、それは新たな
可能性を開く鍵となる。


森さんの講話は
このことを強く示唆している。


自分が、自分が、という
我を捨てることで


もっと大きな成果物を
手に入れることができるはずだ。


それが顧客が受け取る価値を
最大化することになり


自分自身に返ってくるものも
大きくなるはずだ。


頭では理解できるのに
我を捨てるのは本当に難しい。


この我を捨てるために
モーニングセミナーという環境に
身を置くようにしている。

MS10 岡山市倫理法人会 2024年9月17日